健康的な生活(3)衣食住の衣編②

体のこと

このブログでは、現代医学と東洋医学から見た健康のこと、体のこと、病気のことなどを文章にまとめています。今回は健康的に生活するためのポイントについて書いていて、この記事は衣食住の「衣」についての続きです。寝るときの服装についてまとめてみたいと思います。

よろしければこちらも読んでみてください。

健康的な生活(1)ポイントとなる考え方

健康的な生活(2)衣食住の衣編①

就寝時の服装

前回の記事では普段の服装について、特に冷えを意識した重ね着についてまとめました。では寝ている時にはどのような服装をすればいいのでしょうか。

就寝時の服装は、基本的には前回ご紹介した普段の服装と同じでいいと思います。日中汗をかかない程度にしっかり着込むことで調子良く活動できているわけですから、寝る時も服装を変える必要はありません。ただ夜は気温が下がりますし、寝ている時は全身の血流が悪くなって体表が冷えやすくなるので、その分を布団で保温するようにしていきます。もし布団に入った時に熱くて汗が出るようであれば、着込みを減らしてちょうど良いところを選んでいけばいいと思います。また普段着は一日過ごして汚れていますので、このまま寝ると気の流れが悪くなります。寝るときはできれば寝巻きに着替えて、普段着と同じ程度に着込んでいただければ良いと思います。

「厚着して寝ると汗をかいて…」という声も聞くのですが、多くの場合この汗は普段から体表を冷やしているために出てくる、冷えを出す汗になります。汗は熱冷ましとして出るものと考えられていますが、実際は体表が冷えている時に、その部分を温めて血行を回復させた時にも発汗します。東洋医学ではこの汗を「冷えを出す汗」として伝えています。日中にしっかり着込んで体表を冷やさないようにしていると、そのまま布団に入っても汗が出ることはあまりありません。普段から冷えに気をつけているのに布団に入るとすぐ汗が出るようであれば、着込みが多いことが考えられるので少し枚数を減らしていただければOKです。もし寝入った後に寝汗をかくようであれば、自律神経の乱れ、内分泌器官の異常など、厚着とは違う原因がありますのでそちらを探っていくことになります。

冬の就寝時にお勧めの服があります。それはパーカーです。冬は布団の中は暖かいのですが、部屋に暖房を入れていないと首から上が寒く感じることがあります。特に首の後ろ側が冷えてあまりいい気持ちがしません。首の後ろを走る経絡は年齢とともに正気が減りやすくなるので、首が凝ったり、首の後ろが冷えやすくなったりします。そういった時に便利なのがパーカーで、布団に入った状態でフードを被ると首から上がとても暖かくなります。気になる首の後ろ側の冷えもほぼ感じなくなり快適です。とても暖かいので是非一度試してみてください。

寒い時期の話をしましたが、では暑い時期の服装はどうかというと、夏場でも基本的に先ほどの考え方でいいと思います。皆さんおそらくクーラーを使っておられると思いますが、日中はクーラーの効いた部屋で汗が出ない程度に着込み、寝る時は日中と同じくらいに着込んだ状態で布団に入っていただいて、ただ血流が悪くなる分クーラーの温度を日中より上げて、布団をしっかり掛けるようにしていきます。もし寝る時にクーラーを使わないのであれば、窓を開けるか扇風機を回して、服装は汗をかかないような薄着にして下さい。夜中に冷えることがありますのでタオルケットなどを掛けておいた方がいいかもしれません。

就寝時に靴下を脱いだ方がいいという話がありますが、これについてはどうでしょうか。

よく耳にするのは、靴下を履いて布団に入ると汗をかいて足が冷えるのでよくない、という話です。おそらくここで言われている汗は先程の「冷えを出す汗」で、日中に足先を冷やしているために出る汗ではないかと思います。普段から足を冷やさないよう着込んでいれば、靴下のまま布団に入っても汗が出ることはないので、この点に注意していただければ靴下を履いたままでも大丈夫だと思います。

もう一つ、眠気を生じさせるために靴下を脱いだ方がいいという話もあります。これについてはどうするのがいいか、正直なところ考え中です。私たちの体は体内の温度が下がることで眠気が出てくると言われています。夜になって眠くなったり布団に入って眠気を感じ出すと、体は手足の血流を増やして手足から熱を発散させて、体内の温度を下げようとします。この時に靴下を履いていると、足からの放熱を妨げることになるので良くない、という話です。確かにその通りだと思いますが、ただ靴下を脱いでしまうと眠った後に足が冷えるのでこれも良くありません。ネットなどを見るとレッグウォーマーを履いて足首までは冷やさない様にして、足先は放熱のために出しておくとよい、と書かれたりしますが、足先を冷やすのは体へのマイナスの影響が大きく、できれば寝ている間も足先は冷やさない方がいいと思います。理想的には寝入りばなは靴下を脱いでおいて、眠ってから靴下を履くということになりますが、これはちょっと無理ですよね。

私の経験から言うと、寝る時はやはり靴下を履いておいて、足からの放熱はあきらめても良いのではないかと思います。手からの放熱だけでも熟睡できますし、足が冷えることの方が影響が大きいように感じます。この件については実際に試してみて、どうするか考えるのが良いように思います。(続く)

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