健康的な生活(1)ポイントとなる考え方

体のこと

このブログでは体のこと、病気のこと、健康のことについて、現代医学と東洋医学の両面から見た様々な情報を文章にまとめています。健康というと「普段の生活でどんなことに気をつければ、健康的に過ごしていくことができるの」という疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。今回はこの点について書いてみたいと思います。この記事ではまずポイントとなる考え方をまとめていきます。(本ブログの内容はあくまでも現時点での私の考えであることをご承知おきください)

健康になるために必要なこと

まず体が健康であるためには何が必要か考えてみます。色々な意見があると思いますが、結局のところ次の3つにまとめられると思います。

  1. 体に必要なものを取り入れる
  2. 体を害するものを避ける
  3. 体に取り入れたエネルギーを無駄遣いしない

私たちの体は必要な資源を外から取り入れて、それらを加工したり利用したりして生きています。ですので健康に生きていくためには、本当に体に必要なものだけを取り入れて、できるだけ体を害するものを取り入れないようにする、接触しないようにすることが大切になってきます。それに加えて体に取り込んだエネルギーを健康を維持することに使って、必要以上に無駄遣いしないようにする、ということも大切になってきます。これらのことを意識して生活習慣を整えていくことで、健康的な生活を送れるようになります。

では体に必要なもの、体を害するもの、またエネルギーの無駄遣いについて、もう少し詳しく見ていきます。

体に必要なもの

まずは体に必要なものを考えてみます。体に必要なものは次の4つではないかと思います。

  • 栄養素
  • 正気(せいき)
  • 酸素

栄養素

栄養素は体を動かすエネルギーや、体を作り変える材料として使われています。これは私たちの体の維持にどうしても必要なものです。エネルギーがなければ体の中での様々な働きが進まなくなり、すぐに体調を崩してしまいます。また体の細胞は少しずつ古くなるので、日々これらの作り替えが行われますが、そのための材料が足りないと、やはり健康な体を維持することはできません。このように栄養素は体に不可欠なものの1つとして挙げられます。

正気

正気は初めて耳にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの体に重なって存在するエネルギーのようなものとなります。私たちの体は、物質的な体である肉体と、エネルギー的な体である気の体が重なってできていて、これらはお互いに影響を与え合っています。正気は気の体の方に存在していて、体の働きを滞りなく進めるためのエネルギーとして使われます。

体の構成

(今まで「気」というものにあまり触れたことがない方は驚かれているかもしれませんが、気はそれほど特別なものではなく私たちの身の回りに普通にあって、私たちは特に意識することもなく気を感じたり、動かしたりしています。気についてはこちらの記事にもまとめていますので、よろしければ一度読んでみてください。タグ「気」のインデックスの「気について(1)〜(6)」)

私たちの体の各パーツには気があります。正気は体を動かすエネルギーですので、その中に正気が十分にあればその部分の働きがしっかりと進められます。反面、正気が少ないと働きが低下して様々な不具合が出てきます。胃にも心臓にも脳にも気はあって、正気が十分にあることでこれらの働きが正しく進められるのです。

心臓の図

酸素と水

続いて酸素と水ですが、これらも体に必要なものです。酸素は各細胞に届けられ、栄養素からエネルギーを取り出す際に使われます。皆さんご存知の通り、酸素がないと私たちは生きていくことができません。体には不可欠なものの一つです。同じように水も体には不可欠ですが、水は栄養素というよりは体の様々な働きを進めるときの媒体のような働きがメインとなってきます。水がないと栄養素や酸素を各細胞に届けることができず、失われると数日で生命の危機が訪れることになります。

栄養素と正気を取り込む

ここまで体に必要なものを見てきましたが、このうちの酸素と水は、誰に言われることもなく皆さん十分な量をとっておられると思います。ですので普段の生活で大切なことは、栄養素と正気をしっかりと取っていく、ということになります。

そのためにはどうすればいいかというと、栄養素も正気も主に食事によって体に取り込まれますので、食事の内容に気をつければいいことになります。どちらも新鮮で旬のものに多く含まれ、また正気は食材が古くなると徐々に失われて、加工食品などにはあまり含まれません。それに加えて、農薬や食品添加物など体を害する可能性のあるものを避けることも大切です。それらをまとめると、できるだけ無農薬で新鮮な食材を栄養バランスを考えて取りながら、外食や加工食品をなるべく控えていく、というところが大切になってきます。

食事を手料理メインでとなるとかなり大変ですし現代のライフスタイルには少し合いませんが、ひとまずこれを目標としておいて、それぞれの生活リズムに合わせてできる範囲でやっていくのが良いと思います。

体を害するもの

今度は反対に体にとって害となるものを見ていきます。

  • 病原性微生物
  • 化学物質
  • 不適切な気温、湿度
  • 邪気(じゃき)

病原性微生物

体を害するものですぐに思いつくのが細菌やウイルスなどの病原性微生物ではないでしょうか。これらは私たちの体の中で繁殖して、細胞を傷つけたり破壊したりします。できるだけこういったものを取り込まないように、手洗いやうがいなどをしっかりと行っていくのがいいと思います。

化学物質

また、現代の生活は化学物資にあふれています。農薬、除草剤、殺虫剤、食品添加物、大気汚染物質、洗剤、建材など、少し考えるだけでも沢山出てきます。化学物質は自然界にはもともと存在しないものや、存在しているものでも自然界ではありえないくらいの濃度に濃縮されていて、私たちの体に害を与えたり、体で分解するのに時間や労力がかかったりするものになります。農薬や食品添加物は安全性を確認されてはいますが長期間にわたって使用された場合にどのような影響があるのかよく分かっていません。同じことが体を洗うシャンプーやボディーソープ、食器用洗剤などにも言えます。他にも公園には除草剤や殺虫剤が使われ、都市部では車の排気ガス、農村では農薬散布、工業地帯では工場排煙など、化学物質に接触する機会はとても多くあります。現代社会で化学物質に接触せずに生きていくのはとても難しくなっています。

大気汚染

一方で化学物質を使うことで提供される様々な製品は私たちの生活をとても便利で快適なものにしてくれています。つまり、化学物質にもいい面と悪い面があって、私たちはこれらとうまく付き合っていくことを考えなければいけなくなってきた、ということだと思います。完全に化学物質を排除するのは現実的ではなく、不必要に接触しないことをメインにしていくべきです。

不適切な気温、湿度

次に気温と湿度ですが、体にとって適切な気温は約25℃、湿度は約50%ぐらいです。健康に過ごすためには服を着たり、脱いだりして体温を調整したり、また空調を使って室温や湿度を管理していくことが大切になります。

邪気(じゃき)

最後に挙げています邪気は、正気と同じように耳慣れない言葉かもしれませんが、正気と同じく気の世界にあって、私たちの体に重なって存在しているエネルギーのようなものになります。正気と対になる気で、邪気は体の働きを妨げる作用があります。体で邪気があるところは働きが低下したり、おかしな働きをするようになります。健康に過ごしていくためには、できるだけ体に邪気を増やさないようにする必要があります。

気の種類

気についてはこちらの記事も参考にしてください

タグ「気」のインデックスの「気について(1)〜(6)」

邪気は先の病原性微生物や化学物質などに含まれるものや、気の世界のみにエネルギーとして存在するものがあります。特に後者は私たちの心の状態と関係していて、欲、怒り、恐れ、不安、悲しみなどの否定的な感情によって体の中に生み出されてしまうのです。こういった感情は私たちの日常生活においてありふれたもので、それによって体の中に邪気が生み出されて体の働きが低下してしまっていることは、健康にとって大きなマイナスとなります。思考と健康の関係についてはあまり語られることはありませんが、そういったことも含めて日々の生活では気をつけていく必要があります。

エネルギーの無駄遣い

ここまで「体に必要なもの」「体を害するもの」の二つを見てきました。必要なものを取り入れて害するものを避けていけば、十分健康的に過ごしていくことができますが、それに加えて意識しておくと良いのが「エネルギーの無駄遣い」を控えることです。

最初に書いた通り、私たちの体は結局のところ外からエネルギーを取り入れて動いています。体で起こる全てのことに取り込んだエネルギーを割り当てているのです。心臓や消化器などの内臓を動かす、目や耳などの感覚器官を動かす、神経伝達や体温を維持する、など体が自然にやっている生命維持の働きや、運動をする、考え事をする、テレビを見る、仕事をする、などの社会活動や余暇なども、全て取り込んだエネルギーを使っています。そういった中でエネルギーの無駄遣いはどの辺りにあるのでしょうか。

「やりすぎ」を控えましょう

おそらく体が自然にやっている生命維持の働きには無駄な部分はないと思います。無駄があるとすると、後の社会活動や余暇の部分になるでしょう。もちろんこれらも社会生活を続けていく上では必要なことですが、生命維持には直接関わってきませんし、きっと私たちが普段行っている社会活動にはやらなくてもいいことが沢山あるはずです。それは体にとっては「やりすぎ」で、「仕事ちょっと頑張りすぎたよね」「今日は運動しすぎたな」「ゲームもほどほどにしないと」といった辺りです。こういった「やりすぎ」には私たちの心のにある「欲」が関わっていて、ちょうどいいところで満足できず「もう少し‥」という思いに引きずられているのだと思います。

ゲームしすぎ

日々の生活で「ちょうどいいところで満足する」ことを意識すれば、無駄遣いは減っていきます。無駄遣いを減らすことで余ったエネルギーは、生命維持の働きに回すことができるので、体調がよくなり、怪我や病気も治りやすくなって、健康的な生活に近づくことができます。何よりも「満足する」ことで余計な感情を抱く必要がなくなり、精神的な余裕にも繋がります。健康に過ごしていくためには、日々満足してゆったりと過ごしていくこともポイントになります。

冷え対策で省エネ

社会活動や余暇と異なり、体が自然にやっている生命維持の働きで使われるエネルギーは私たちが生きていく上で削ることができません。ですが、実はこのエネルギーの一部を節約することができるのです。それが「冷え対策」です。

私たちの体は内部の温度が37℃の時に最も正しく動くようになっています。この体温を維持するために、体は内臓や筋肉を動かして体内で熱を作り出すのですが、そのためのエネルギーは無視できません。薄着で体を冷やしていると十分な熱を作り出すのに多くのエネルギーが必要になりますが、しっかりと着込んで体を冷やさないようにしていると、発熱のためのエネルギーを節約することができます。

目安は「汗をかかない程度に厚着をする」です。ちょうどいいくらいは体にとっては薄着で、ちょっと暑いけど汗は出ない、くらいまで着込むと、体調も良くエネルギーの節約をすることができます。

健康的な生活を送るには

健康になるためのポイントとして、体に必要なものを取り入れる、体を害するものを避ける、取り込んだエネルギーの無駄遣いを控える、について紹介してきました。健康のためにはこういったことを意識していくのが大切ですが、そのためには日々の生活でどのようなことに気をつければいいでしょうか。次回から衣、食、住、その他の生活習慣、に分けて具体的にまとめていきたいと思います。

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