健康的な生活(2)衣食住の衣編①

体のこと

このブログでは、健康のことや体のことについて、あくまでも私自身の考えになりますが、現代医学と東洋医学の両面から見た情報を文章にまとめています。健康的に生活していくために日々の生活で気をつけること、今回はこの点について書いていきたいと思っています。前回の記事では、全体的な考えについてまとめました。この記事からはもっと具体的なことについて、まずは衣食住の衣について書いてみます。

前回の記事はこちらです。健康的な生活(1)ポイントとなる考え方

体に合う素材

まずは衣類の素材についてです。素材によってはそれ自身が正気(せいき)を帯びているものがあり、そういった素材は私たちの体にとても馴染みます。前回の記事の通り、健康的に過ごしていくためには「体に必要なものを取り入れる」「体を害するものを避ける」がポイントですので、正気を帯びたものを身につけ、体に合わないものを着ないようにすることが大切になります。

(正気は私たちの体の気の部分にあって、体を正しく動かすエネルギーのようなものです。気についてはこちらの記事にまとめていますので、よろしければ一度読んでみてください。タグ「気」のインデックスの「気について(1)〜(6)」)

おすすめの素材は、綿とヘンプです。綿は衣類ではとても一般的で広く普及していますが、体にとってもいい素材といえます。肌に直接触れる肌着などによく使われるのも理想的です。綿の中でもオーガニックのものは特に体に馴染み、何よりも身につけた時の心地よさが全く違います。少し高価ですが、機会があれば試してみられるのもいいと思います。

ヘンプは麻の一種で、日本では古くから使われていて、紙や衣類に加工されて生活に浸透してきました。日常生活だけでなく神事に用いられる様々な神具の素材としても長く使われています。ヘンプは正気を帯びているため、私たちの体にも合いますし、神聖な所で使われるのにも合っていたのだと思います。戦後になり政治的な理由からかヘンプは規制され、私たちにとって身近なものでは無くなってしまいましたが、現在でも求めれば手に入るものですので、ヘンプの肌着やシャツなど試してみられるのもいいと思います。麻というとヘンプの他にもリネンやラミーなどがありますが、これらは農薬を使って育てられることがあり、少し刺激感があるものが含まれたりします。ですがヘンプはそういうことがなく、一番体に馴染むように思います。ヘンプを身につけると気の流れがとても良くなり、何よりも心地が良く快適です。素材自体が吸湿性や通気性に優れていますので、一年中通して使えますし、丈夫なので長く使用できます。なかなか流通量が少なくて高価なのがネックですが衣類の素材としては一番おすすめです。ヘンプ100%のものは衣類の種類も少なくデザインも限られますが、ヘンプと綿を合わせた素材の服もあり、こちらであれば色々とバリエーションも豊富です。ぜひ一度試してみてください。

もう一つ体に合う素材があって、それはシルクです。みなさんご存知の通りの憧れの素材ですが、見た目や風合いだけでなく機能的にも吸湿性や放湿性に優れ、暖かく肌触りが良く、私たちの体にとても合う素材です。皮膚と同じタンパク質で構成され化学繊維にはない柔らかさがあり、シルクを身にまとうと優しい生き物に包まれるような感触があります。とても体に合う素材なのですが、高価、摩擦に弱い、水洗いできない、など少し扱いにくい点があり、ここではおすすめの素材とはしませんでした。

逆に体に合わない素材として合成繊維が挙げられます。ポリエステルやナイロンが代表的ですが石油から作られた高分子化合物で安価なため広く使われます。ただ衣類の場合は食べ物のように体に直接取り入れるわけではないので「ポリエステルが入っているから絶対にNG」とまでは考えなくてもいいと思います。オーガニックの綿やヘンプで全ての服を揃えるのは難しいですし、デザインも限られますので、外出する時は体に接触するインナーにいい素材のものを使って、上はポリエステルが含まれていても気に入った色やデザインの服を着るようにしたり、自宅での普段着にいい素材のものを選ぶようにすればいいと思います。ご高齢の方や病気療養中の場合であれば服の素材が無視できなくなりますが、そうでなければ服については食べ物ほど神経質になる必要はなく、あくまでも「体にいいものはこれ」という情報として覚えておいていただければと思います。

冷え対策

前回の記事にも書きましたが「冷え対策」をすることで、体が自然に行っている生命維持のためのエネルギーを節約することができます。ちょっとしたことなのですがこれだけで体調が良くなったり、普段感じている痛みが和らいだりします。

私たちの体は体内の中心部が大体37℃くらいの時に体調が良くなるようになっています。そのために体は熱を作り出しているのですが、しっかりと厚着をして体を冷やさないようにすることで、発熱のためのエネルギーを節約することができます。ではどれくらい厚着をすればいいのでしょうか。目安は「汗をかかないくらいの厚着」です。

「これくらいがちょうどいい」「これくらい着込むと寒くない」というくらいの着こみでは、体表が冷えていることが多くあります。体表が冷えるとそこを流れる血液が冷えますので、体内も冷えてしまいます。できるだけ肌を露出させずに服で覆ってやって、普段の着込みにプラス1、2枚していただくといいと思います。この状態で「ちょっと暑いけど汗が出ない」ようであればそれくらいが体にとってはいい着込みということになります。もしこの状態で家事や仕事をして汗が出そうになるようであれば、着込んだ服を脱いで汗が出ないように調整していきます。体の活動量に合わせて「汗をかかないくらい」をキープしていきましょう。「汗をかかない」ということが結構大事で、なぜならば汗をかくと正気を多く消費してしまい、体に負担となるからです。必要以上に汗をかかない方が体には良く、普段の生活でも発汗を控えるように意識することが大切です。

夏場に重ね着はちょっと無理ですので、夏場は適度に服を減らしていきます。ただ体表はあまり露出しない方がいいと思います。クーラーの風などが直接当たらないように注意します。

重ね着の本場は冬ですが、服を着込む時におすすめなのが肌着の重ね着です。肌に密着する肌着を重ねると衣類と体の間の空気の層が厚くなり暖かく過ごすことができます。上に分厚いセーターを着るよりも肌着を2枚、3枚と重ね着する方が暖かいように思います。下は足首まであるタイツを、上は長袖のTシャツを重ね着するととても暖かく快適です。そしてもう一つポイントなのが空気の逃げ道を塞ぐことです。足首、手首、首が逃げ道となりますが、足首はタイツの上に靴下の裾を被せたり、首はTシャツの上にタートルネックなどを着ることで空気の逃げ道を塞ぐことができます。その点から足のくるぶしの下までの短い靴下はあまりお勧めできません。また手首を塞ぐのはちょっと難しいですが、裾が細くなったTシャツなどを着ることである程度塞ぐことができると思います。外出時であれば手袋でO Kです。

重ね着する時に気をつけることが一つあって、それは締め付けないことです。特に足首ですが、靴下がきついものを重ね着すると足首や足全体を締め付けることになります。それによって血行が悪くなるのはあまり良くありません。重ね着の難しさはここにあって、重ねながらも締め付けないという微妙なところを工夫して見つけていく必要があります。ちょっと大変なのですが、体験しながらいいところを探していくのも楽しいと思います。

普段から肌を露出している方はここまで着込まなくても寒さを感じておられないと思います。それは体表が冷えた状態で体が慣れてしまっていることが考えられます。冬場に薄着をされていて足先が冷たくなっていても、「別に寒くない」と言われる方に今までに多くお会いしました。多分私たちの脳は体のいつもの状態を標準にして、あまり何も感じないように調整するではないでしょうか。ですが体表が冷えると体はその部分の血行を制限しますので、霜焼けになったり肌が荒れたり、怪我などが治りにくくなったりします。やはり血行はいい方が健康的だと思います。

また普段から冷やしている状態で厚着を始めると、最初はよく汗をかきます。汗は体が熱い時に熱冷ましとして出るものとされていますが、それだけではなく、体表が冷えている時にその部分を温めて血行を回復させた時にも発汗するのです。東洋医学ではこれを冷えを外にだす働きとして伝えています。ある程度の期間発汗し血行が回復した状態が普通になると、徐々に発汗は収まっていきます。ですので靴下を履く習慣がない方が靴下を履いて足を冷やさないようにし始めると、最初の1シーズンくらいはよく汗をかき、そしてそれを過ぎると落ち着いてきます。汗をかいた時は靴下を交換して冷えないようにしましょう。ちょっと面倒なのですが、これも体の変化として、楽しみながら体験されるといいと思います。(続く)

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