気について(3)気はどこからやって来るのか①

体のこと

東洋医学でよく耳にする「気」についてまとめています。ここまで気はどんなものか、また東洋医学が伝える気の働きについて触れました。

気について(1)気はどんなものか

気について(2)気の働きとは

私たちの体には気があって、体を動かすために使われていますが、この気はいったいどこからやってくるのでしょうか。今回は気が体に入ってくるプロセスについてまとめてみます。(この文章は現時点での私の個人的な考えであることをご承知おきください)

気はどこからやってくるのか

ここまでの記事に書いた通り、私たちの体は物質の体と気の体が重なっています。そして気(正気:せいき)は、体を動かすエネルギーとして使われています。

体の構成

「使われる」ということは、正気は消費されて少しずつなくなっていくということです。つまり正気は補給しなくてはいけないのです。

私たちは普段、食べ物から正気を取り入れています。食べ物は元々生き物ですので、生命エネルギーである正気を含んでいます。食べ物から取り込むのが正気を取り込む方法としては一般的ですが、では他にはどんな方法があるのでしょうか。

気には大きく分けて体に必要な「正気」と、体を害する「邪気」があって、正気のみならず邪気も体に入ってきます。そして気の入ってくるルートには次の4つがあります。

  1. 生き物や物質ごと気を取り入れる
  2. 環境から気を取り入れる(染まる)
  3. 体内に気を生じさせる
  4. 特別な技術で気を取り入れる

これら4つについて説明していきます。

1、生き物や物質ごと気を取り入れる

生き物や物質が持っている気を、それごと体に取り入れる方法です。先の食べ物から正気を取り込む方法はこれに当たります。気を含んだ状態で対象物ごと体内に取り入れるので、上記の1〜4の中では最も多くの気を取り込むことができると思います。生き物は生きている間は正気がたくさんありますが、死んでしまうと少しずつ失われていきます。ですので、正気をたくさん取り込むには、できるだけ新鮮な食物、旬の食物を摂るのがお勧めです。

このルートで体に入ってくるのは正気だけではありません。食べ物には体を害する細菌やウイルスなども微量に含まれ、また意識して避けないと農薬や食品添加物などの化学物質も含まれます。つまりこのルートでは、微生物や化学物質とともに邪気が体に入ってくる可能性があるのです。これを避けるためには、できるだけ新鮮な食材を使用して生食を避けて加熱調理することや、農薬や食品添加物(特に加工食品)を意識して摂らないようにすることがポイントです。

また食べ物以外にも、怪我をすると傷から細菌が入ってきますし、呼吸で吸い込む空気にも細菌やウイルス、PM2.5や窒素酸化物などが含まれます。このように体を害する生物や化学物質を取り込んだ場合、それらが持つ邪気も体に入ってきます。

体に入った細菌やウイルスは免疫系によって駆除され、また農薬などの化学物質は様々な酵素で分解され無毒化されます。そしてこれらの体を害する物が取り除かれると、一緒に入った邪気も消えていきます。

ルート分類正/邪例えば
1、生き物や物質ごと気を取り入れる食物新鮮なもの、旬のもの
古いもの
微生物細菌(体を害すもの)
ウイルス
化学物質農薬
食品添加物(加工食品)
大気汚染物質(PM2.5、窒素酸化物など)

2、環境から気を取り入れる(染まる)

次に見ていくのは、環境から体に入ってくる気です。この気の入り方は、先の1のように「取り込む」というよりむしろ「染まる」というイメージです。体に入る気の量は1よりも少なく、じんわり少しずつ増える感じです。

私たちは周囲の環境の影響をいつも受けています。気温や湿度、また人の持つ気、物の持つ気、場の帯びている気などです。まず気温から見ると、私たちの体を取り巻く空気の温度は(服を着ている場合)だいたい25℃ぐらいがちょうどよく、これよりも低かったり、高かったりすると冷えや熱の気が体に入ってきます。そして寒さ暑さが激しくなるとこれらの気は邪気となり、体に害を及ぼします。同様に湿度が高すぎる場合は、湿った空気で皮膚から水分の発散がうまくいかず、水分代謝に影響が生じます。この時の湿った空気は邪気として体の働きを害することになります。東洋医学ではこのような寒さ、暑さ、湿気などの邪気を外感(がいかん)と呼び、病の原因として挙げています。

また私たちは人の持つ気からも影響を受けます。重い病気を患っている人や、次の記事で触れますが怒ったり、陰口を叩いたり、不平不満を募らせていたり、激しく凝り固まった感情をいつも持っている人は体に邪気を溜め込んでいます。このような人と接する機会が多いと、その人が持っている邪気が少しずつ体に入ってくるので注意が必要です。逆に健康で、こだわりを持たずいつも気楽に生活している人は正気を多く持っているので、こういった人と接すると体に正気が増えて体調がよくなります。

物や場所も気を帯びています。温かい物や人の手があまり加わっていない物は正気を多く含んでいます。身につける物としては衣服が身近ですが、素材としては綿、麻がよく、綿については農薬を使っていないものが正気を多く含みます。オーガニックの綿やヘンプ(ヘンプは普通農薬を使いません)は本当に体にいいです。こういった素材で作られた衣服を身につけているとそれだけで体に正気が増えます。

またアクセサリーは正気に近い気を持つものであると、身につけておくだけで正気が増えます。代表的なのは金やチタンです。逆に体に合わないものもあり、プラチナは邪気を帯びていて、銀は冷えの気が入ってきます。また身につけるものとして数珠やパワーストーンなどもありますが、残念ながら正気を帯びているものはあまりなく、邪気を含んでいるものが多いように思います。アクセサリーについては少し難しいので、健康の点から見ると身につけない方がいいように思います。

場所も気を帯びている所があります。分かりやすいのは丘陵地のように盛り上がった場所で、こういった所は正気を帯びています。逆に窪地は冷えや湿気や邪気が溜まりやすいように思います。他にも、周囲との兼ね合いもありますが、南側に日を遮るもの(山、高速の高架、橋梁、高いビルなど)がある場所、湿地帯、埋立地などもあまりいい気ではありません。日当たりがよく、地形的に盛り上がったところが気の質は良く、このようなところに住んだり、よく訪れるようにするのがおすすめです。(続く)

ルート分類正/邪例えば
2、環境から気を取り入れる(染まる)気温、湿度適温(25℃前後)、適湿度(50%程度)
低温、高温、低湿度、高湿度
健康な人
こだわりがなく気楽な人
病気の人
欲、怒り、不満、妬み、焦りなど、激しく凝り固まった感情を持つ人
綿(オーガニック)、ヘンプ
金、チタン
プラチナ、銀
邪気を帯びたもの
場所盛り上がった所、丘陵地
窪地、湿地帯、埋立地
日当たりの悪い場所

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