以下の記事は以前のサイトで公開していたものです(2022年の12月)。このサイトに転載しておこうと思います。
新型コロナウイルス感染症が世界に発生してからはや3年ほどが経ちます。その間ウイルスは変異を繰り返して、今もなお流行を続けております。この疾患の気的な部分を見ていくと、一般に言われていることとは違った情報が得られ、そういった情報も今後この疾患と付き合っていく上で参考になるのではないかと思い、ここで一旦まとめておこうと思います。
身近な方や日常生活でお付き合いのある方で、この疾患に感染された方のお体を気的に見させていただいて、これまでいろいろなことが分かってきました。その中で、多くの方が気にされていることをいくつか挙げてみたいと思います。なおこの文章の内容は、あくまでの自分の個人的な意見であることだけご承知おきいただければと思います。
1、ウイルスは弱体化しているのか
当初は武漢型だったと思います。それが英国型(β型)、デルタ型となり、現在はオミクロン型です。変異のたびに弱体化しているのは間違いないと思います。気的にウイルスの強さを感じることができるのですが、武漢に比べるとオミクロンはかなり弱くなっています。重症化する方の人数が減ってきていることからも、そうであると考えていいと思います。同時に感染力ですが、これも一般に言われている通りですが、変異するたびに強くなっていると思います。オミクロンは本当に簡単に感染します。これは厄介です。
2、抗体はできるのか
自然に罹患した場合、おそらくですが一時的に抗体ができるのではないかと思います。実際に罹患された方の経過を見させていただいたときに、4日後に急にウイルスの反応が弱くなり快方に向かうのに遭遇しました。それまではウイルスが強くなったり弱くなったりを繰り返していたのですが、この時を境にウイルスが一気に減っていったところを見ると、やはり抗体が立ち上がったのではないかと感じました。でも強い抗体ではなく、しかも効果は持続しないように思います。
罹患した時の症状の強さにもよると思いますが、軽度や無症状の場合はまたすぐに感染するようです。ウイルスに触れる機会が多い場合は何度でも感染するのではないでしょうか。最初の頃に言われていた「国民の60%がかかれば集団免疫ができる」ということは残念ながらないように思います。もともとコロナウイルスには効果的な抗体ができにくいと言われていたようですし、新型コロナもその通りだということでしょう。
3、ワクチンは効くのか
いろいろなことが言われていますが、効くか効かないかと聞かれれば、自分は効くと思っています。が、色々と問題があります。
コロナウイルスに対するワクチンの歴史を調べてみると、過去20年ほど研究されていたようで、特に2000年代のSARSの頃に本格的に研究が進められていたようです。ですが、どうもうまく行かなかったようです。先にも書いた通り、もともとコロナウイルスは効果的な抗体ができにくいようで、持続的に抗体を維持させるのがどうもうまく行かず、結局SARS(MERS)に対するワクチンは未完のまま研究は縮小していきました。今回の新型コロナワクチンは確実な抗体を作るために、ウイルスの表面にある突起(スパイクタンパク)を人間の体の中で作らせて、体がそれに反応して自然に抗体を産生するように導く、という新しい方法を採用しています。これによって確かに抗体はできているように思うのですが、安全性の面でいくつか気になる点があります。
まず、人間の細胞にウイルスのスパイクタンパクを作らせるというのは大丈夫なのか、という点です。そのためにスパイクタンパクの設計図(mRNA)を体に注射するわけですが、これは安全なのでしょうか?正直誰にも分かりませんよね。mRNAを利用するワクチンの研究は2000年前後には始まっていたようですが、それを利用したワクチンは今回が初めてな訳です。ちょっと不安です。
次にこのワクチンは体の免疫力を低下させる作用を持っている点です。このワクチンはコロナのスパイクタンパクの設計図(mRNA)を体に注射するわけですが、体の免疫細胞は当然これを異物とみなして排除しようとします。ほかの生物の設計図なので、実際異物なわけですから。でもすぐに排除されてしまうと体の中でスパイクタンパクが作られないので、ウイルスに対する抗体も作られません。そうなるとワクチンの効果を発揮できなくなるので、このワクチンはmRNAが排除されるのを防ぐため、免疫細胞の働きを低下させる(免疫の働きを抑える作用を持つ制御性T細胞を賦活化する)ようmRNAの一部を編集しているのです。この手法は修飾mRNAと呼ばれています。
修飾mRNAは今回のコロナワクチンの開発のキーとなった技術で、2021年1月にScienceという権威ある学術誌に論文が掲載されています。https://www.science.org/doi/10.1126/science.aay3638
その論文では多発性硬化症という自己免疫疾患(免疫が暴走して自身の細胞を傷つける病気)に対し、修飾mRNA で免疫を抑制しようという試みが書かれています。修飾mRNAをマウスに投与し、免疫を抑える制御性T細胞を活性化させることで症状を抑えることに成功しているとあります。
今回のコロナワクチンはこの論文と同じ手法が採用されています。執筆者の一人がコロナワクチン開発の中心人物です。修飾mRNAによって免疫の攻撃を受けることなくスパイクタンパクの設計図が体の細胞に届き、コロナのスパイクタンパクが大量に作られてそれに対する抗体もしっかり作られるという、ワクチン本来の目的を達成しています。
しかし抗体が作られるのはいいのですが、一方では制御性T細胞により免疫力の低下が起こっているのが気になります。一定期間が過ぎて抗体の量が減ってくると、免疫力の低下のため逆にコロナに罹りやすくなることも考えられますし、制御性T細胞はガン細胞のまわりにあってガン細胞を守っている、とも言われますし、あまり活性化させるとガンなどほかの病気が進む可能性もあるのではないでしょうか。確かにワクチン接種が始まってからヘルペスになる人が急に増えましたし、自分の周りでは蜂窩織炎になった人の話を2例耳にしました。やはりワクチンによって免疫力が落ちたせいではないでしょうか。
ヘルペスや蜂窩織炎では直接命にかかわることはありませんが、免疫力が落ちるということはもっといろいろな病気につながる可能性があるということです。おそらくこのワクチンはまだ未完成と考えたほうがいいように思います。
4、コロナ禍は終わったのか、オミクロンは普通の風邪なのか
世間ではコロナはもう終わったという雰囲気が広がっていますが、自分の感覚ではまだ終わっていないと思います。ここまで書いてきたことが正しいなら、きちんとした抗体ができない、ワクチンを打つと免疫力が下がる、となればコロナ禍は終わるはずがありませんよね。まさしくウイズコロナな訳です。実際に自分の周りのいろいろな人の体の状態を見させていただくと、ウイルスを保有している人はたくさんおられます。
今はオミクロン株が流行っているわけですから、毒性は弱く、かかっても無症状か軽症で安静にしていれば4日後には抗体が立ち上がって回復する、といった感じだと思います(免疫力が下がっているともう少し大変だと思いますが)。そんなに怖くはないはずですが、実際に感染された方を見ていると、軽快後も肺の中にダメージが残っているようでした。どうも呼吸器系へのダメージはしばらくは残るようです。
このことから考えると、オミクロンは上気道(喉や気管)で繁殖するだけでなく、少し肺に入るのかもしれません。もしそうだとすると「ただの風邪だからノーケアで大丈夫」とはいかず、注意が必要となります。できる限りかからない方がいい、かかったとしても完全に治るまでの回復期間を確保して連続でかからないようにするのがいいように思います。
そしてこのウイルスは感染力が非常に強い。こうなるとちょっとややこしいですよね。せめてあと1、2回変異してもう少し弱いウイルスになってくれれば、今までのコロナウイルス(普通の風邪のウイルスです)と同じようにノーケアでいいと思うのですが。
5、今後の社会はどうなるのか
恐らくこのウイルスがなくなることはないと思いますので、共存することを考えるしかありません。世の中にはウイルスがいつも存在し、社会活動することで体の中に入ってくるという日々が続くことになります。感染し続けると体力が落ちて、結果的に寿命が縮むということになるので、これを避けるため、閉鎖された人混みに近づかない、マスクと手洗いをしっかり行う(マスクについてはまだわからないことが多いですが、しないよりはしたほうがいいように思います)、複数での飲食は控える、などの注意が必要になります。加えて免疫力を上げるため、食生活を整える(食品添加物、農薬、砂糖を控える)、夜ふかしをしない、適度な休息と運動、などの生活リズムの整えも大切になります。またタバコを吸われる方はこの機会に禁煙されることをお勧めします。肺に負担をかけると感染しやすくなりますし、タバコを吸っている方は一度感染するとなかなか治りません。あともう一つ、直射日光に当たるのはとてもいい効果がありますので実践してみてください。
ちょうど100年前にスペイン風邪が世界中で流行したときは、3年で流行が収まり、弱毒化して季節性のインフルエンザになったようです。今回ももう少し弱毒化してくれれば終息したと言えるのだと思いますが、自分はまだ手放しで安心できる状態ではないと思っています。ただこう言ったことは個人の感覚の問題でしょうし、「感染しても症状がないなら終息している」と考えることもできますし、持続的な感染で気がつかないまま他の病気が進行しても、それと新型コロナとの関連性は分かりにくいでしょうから、「なんだか身近で病気になる人が増えたな」とか、「今年は喪中ハガキが多いね」となっても、最近はそんなものと思うのであればパンデミックは終息している、ということになるのだと思います。潜在的に人間の体力が低くなったと捉えてもいいのかもしれません。