擦り傷、切り傷などの小さなケガから、骨折などの大きなケガなど、日常生活の不注意でケガをしてしまうことがあります。このような時に、皆さんはどのようなケアをされるでしょうか。
擦り傷、切り傷などの小さなケガであれば、傷口を水できれいに洗い、ガーゼや絆創膏を貼って、良くなるまで触らないようにしていきます。骨折であれば、傷口のケアに加えて、骨の整復と固定が必要です。
一般的にはこのような処置を行いますが、これに加えてあることを意識すると、ケガの治りが少し早くなります。
今回は、ケガを早く治したい時に、気をつけた方が良いことについて書いてみます。
ケガを治す時にやるべき二つのこと
ケガを早く治すためは、どんなことをすればいいでしょうか。私は、次の二つだと思います。
- 損傷部位の処置
- 内臓の働きを整える
損傷部位の処置
一つ目は、損傷部位の処置です。これは先ほど書いた通りです。
傷口などは流水でキレイに洗います。異物やばい菌を洗い流して、傷口の修復に妨げとなるものを取り除きます。以前は消毒を行いましたが、消毒液は傷口にダメージを与えるため、近年では使われなくなりました。実際に消毒液を使わなくても、傷の治りに影響がないことが分かっています。
次に、ガーゼや絆創膏で傷口を塞いで保護します。そうすることで、傷口から出る組織液によって傷の修復が促されます。
骨折の場合はこれに加えて、骨を正しい位置に調整し、固定します。これには専門的な技術が必要ですので、病院でやってもらいましょう。
内臓の働きを整えると、ケガが早く治る
先の「損傷部位の処置」に加えてお勧めしたいのが、二つ目の「内臓の働きを整える」です。これはどういうことでしょうか。順を追って考えてみます。
ケガを治すには資源が必要
まず、ケガを治すためには何が必要かを考えてみます。
ケガは、皮膚や、脂肪組織、骨組織、血管などが、破れたり損傷を受けた状態です。ですので、これらを修復するためには、体の壊れた組織を作り直すための、資源が必要です。
その資源としては、まず体の作る材料であるタンパク質が挙げられます。そしてそれに加えて、タンパク質を使って体を作り直すための、エネルギーも必要となります。そういった材料やエネルギーが十分に無いと、ケガは治りにくくなります。
では、こういった資源は、どのようにして体に取り込まれるのでしょうか。それには消化器と呼吸器が深く関わってきます。
体を作る材料となるタンパク質は、食事を通して消化器から取り込まれます。また、体を動かすエネルギーとなる栄養素と酸素は、消化器と呼吸器から取り込まれます。つまり、消化器と呼吸器がしっかり動いていることが、ケガを治す資源を体に取り込むために、必要となるのです。
資源が届いていることも重要
ただ、こういった資源が十分にあっても、それだけで、ケガがスムースに治っていくわけではありません。なぜなら、これらが損傷部位までしっかりと届かなくては、なかなか修復が進まないからです。そのためには、損傷部位までの循環が良いことが求められます。
循環というと、まずは心臓が正しく動いていることが大切です。さらに、血管の通りがよく、体の隅々まで血液が滞りなく巡っていることも重要です。
つまり、内臓が正しく動いていることが大切
この他にも、栄養素の貯蔵や再構成には肝臓が深く関わります。また、体に入ったばい菌や、壊れた細胞の除去には白血球などの免疫系の働きも必要です。更に、これら一連のタスクを臨機応変に管理するのは脳です。
このように見ていくと、ケガを早く治すためには、内臓全体が正しく動いていることが、必要になることが分かります。つまり、内臓の働きを整えることが大切なのです。
まとめ
ここまで、ケガを早く治すために気をつけた方がいいことについて、見てきました。結局のところ、次の二つが重要だと思われます。
- 損傷部位の処置
- 内臓の働きを整える
一般的には傷口などの損傷部位だけに目が行きがちです。ですが、実際は内臓の働きを整えることも大切なのです。
軽いケガであれば、1、2週間でキレイに治ってしまいますが、骨折などの大きなケガはなかなか治りにくいものです。そのような時には、内臓のケアを意識してみてください。
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