自動車がガソリンで動き、エアコンが電気で動くように、私たちの体も、体の持つエネルギーで動いています。
怪我や病気がなかなか良くならない、体調の悪さが続く、といった時に、どんなことに気をつけたらいいでしょうか。実は、この体のエネルギーの使い方に注意すると、早く体調を整えることができるのです。ポイントは「体のエネルギーを節約する」ことです。
今回は、体調が良くない時の体のエネルギーの使い方について、紹介したいと思います。
体は有限なエネルギーを全身で分け合っている
まず、体のエネルギーとは何でしょうか。それは、自動車にとってのガソリン、エアコンにとっての電気のようなもので、私たちの体にも、体を動かすエネルギーが存在しています。
そのエネルギーについては、現代医学、東洋医学が、それぞれの考えを示しています。詳しい話はここでは省略しますが、どちらも大まかには同じことを言っていて、まとめると、
- 食べ物と空気からエネルギーの材料を体に取り込んで、体内でエネルギーを作っている
- 作られたエネルギーを使って、全身を動かしている
ということになります。
この考えを踏まえると、体のエネルギーについて、次の二つが思い浮かびます。
- 体で起こるどんなことにも、体内で作ったエネルギーを使っている
- 体で使われるエネルギーは有限である
これらについて、もう少し見ていきます。
1、体で起こるどんなことにも、体内で作ったエネルギーを使っている
先ほどのように、私たちの体は、食べ物と空気からエネルギーの材料となるものを取り込んで、そこからエネルギーを作り出しています。このエネルギーで体を動かしているのですから、全身で起こる全てのことに、このエネルギーが使われることになります。
具体的には何に使われているのでしょうか。それらは、内臓、脳、神経伝達など生命を維持する体の働きから、仕事、余暇、運動、思考など、私たちが意識して行なっている活動などです。
無意識レベルで体が自動でやっていることにも、私たちが意識的に行なっていることにも、体で起こる全てのことに、体で作られたエネルギーが使われています。
2、体で使われるエネルギーは有限である
また、食べ物と空気からエネルギーを作るわけですから、そのエネルギーは有限であることが想像できます。
なぜなら、食べ物をいつも食べ続けているわけではないからです。(もし食べ続けたとしたら、消化器が故障してしまいます。私たちの体は食べ続けるようには作られていません。)
つまり、一日に使えるエネルギーは、その日に食べた食べ物の量(栄養素の量)によって決まってくるのです。もう少し正確にいうと、その日に食べた食べ物と、前の日までに食べて消費しなかった食べ物の量(体に蓄えてある栄養素の量)の足し算、ということになります。
このように、体で使えるエネルギーは有限なのです。私たちは体で作った有限のエネルギーを、全身で分け合って使っているのです。
調子の良くない部分を修復するためにエネルギーを節約する
ここまでを理解していただくと、体調が悪い時に、体のエネルギーをどう使えばいいのか、が分かりやすくなると思います。
実は、体調が良くない時は、健康の時とは、エネルギー消費についての環境が異なります。なぜなら、怪我であれば傷のある所、病気であれば悪くなった所を修復するために、多くのエネルギーを消費するからです。
こういった体の修復作用は、体にとっては優先度の高いタスクになります。ですので、体は多くのエネルギーを使って、積極的に組織の再生を進めようとします。
これに対して、私たちが一日に使うことのできるエネルギーは限られています。ですので、体調が良くない時は、修復のためのエネルギーを確保しておかなくてはならないのです。
つまり「体のエネルギーを節約する」ことが求められるのです。
では、私たちが節約できるエネルギーはどこにあるのでしょうか。生命維持のために使われるエネルギーを減らすことはできないので、節約できるのは、仕事や遊びなどに使う、私たちが意識的に使っているエネルギーとなります。
詰まるところ、仕事や遊びなど、私たちが意識的に使っているエネルギーの消費を抑えることが、体調を整えるためのポイントとなります。
どんなことに気をつけたらいいですか
具体的にどんなことに気をつけたらいいのかというと、「余計なことせずに、ゆっくりしておくこと」になります。
- 外出などをせず、家でゆっくりしておく
- 考え事をしない
- 運動を控える
- 暴飲暴食を控える
- PC、スマホで目を使いすぎない
- 早寝をする
などを意識しましょう。
体のエネルギーを使い方に注意して体調を整えよう
私たちの体で起こることには、体の中で作られた有限のエネルギーが使われています。内臓、脳、神経伝達などの生命維持に使われるものも、仕事や遊びなどに使われるものも、このエネルギーを分け合っているのです。その中で私たちが節約できるのは、仕事や遊びなどに使う分です。この分の消費を抑えることが、体調を整えるためのポイントとなります。
いまいち体調が良くない、怪我や病気の後、調子が戻らない、といった時は、「体のエネルギーの節約」を意識してみてください。
