先日治療をしていてこんなことに出会いました。
足のすねの外側は、どうも大腸が関係しているようなのです。
すねの張りを取るには
ある患者さんなのですが、すねの張りが辛いといわれていました。膝から下でちょうど体の側面にあたるところです。この辺りが突っ張る方は多いように思います。
東洋医学では「胆経(たんけい)」と呼ばれる経絡が流れているところです。胆嚢の働きと関係があると言われていわれています。
でも東洋医学は正しいことと、そうでないことがごちゃまぜになっているので、そのまま鵜呑みにはできません。
私自身も、このあたりは消化器との関係が深いと思っていますが、胆嚢だけとは決め付けられないように感じていました。
いろいろと探っていくと、どうも大腸と関係があるようなのです。
上行結腸と下降結腸
大腸がどこにあるかというと、お腹の中で、おへその右斜め下あたりから始まって、まず体の右側を上に上がります。そして90度右に曲がって(人によって曲がり方はいろいろですが)体の左側へいって、今度は下に下がって骨盤の中に入っていきます。ちょうどお腹にのの字を書くような感じです。
この上へ行くところを上行結腸(体の右側にあります)、下に降りるところを下降結腸(体の左側にあります)と呼びます。
そしてこの上行結腸と下降結腸を調整すると、すねの外側の張りが取れてくるのです。
おもしろいことに、上行結腸を調整すると右のすねが、下降結腸を調整すると左のすねが緩むのです。
左右がリンクしているのです。
膝下は消化器と関係が深いのです
もともと膝下は消化器と深く関係を持ちます。
今回はすねの外側ですが、もう少し前には「胃経(いけい)」とよばれ胃に関係する経絡が流れていますし、さらに内側には「脾経(ひけい)」という肝臓や膵臓と関係を持つ経絡が流れています。
(脾経についてはいろいろな考え方があります。私は今のところ肝臓や膵臓と関係があるように考えています。)
そして、どうもすねの外側は大腸と関係を持つようです。
すねの外側は胆経が流れるところなので、東洋医学では胆嚢との関係が言われています。でも考えてみると胆嚢は右側にしかないので、「左側はどこと関係するの」ということになります。
ここのところ、胆嚢ではなく上行結腸や下降結腸で考えると少しスッキリしてくるように思います。
でも上行結腸と下降結腸だけが関係していると決めつけるのはちょっと急ぎすぎなように思います。先人たちが「胆経」と名前をつけたのですから、なにか理由があるはずです。
それに大腸の経絡は、腕の方にきちんとあるわけですし。
でも、そもそもの胆経の「胆」が現在の胆嚢とイコールとも言い切れないわけですから、まったく違う臓器なのかもしれません。
分からないことを見つけると面白いですね。これからも引き続き探っていきます。